保存方法

作成:2017/09/30

更新:2017/10/01

<冷蔵保存>

私の師匠、あるベテランのワサビ農家は、ひげ根に関してはこう指摘しています。

  • 一般に植物は根を取り除くと死滅してしまうか、急速に弱って鮮度を失うものだ。だからワサビのひげ根は食べる直前まで取り除いてはならない。

 実際私の経験では、ひげ根付きワサビが野菜室で1年以上生き、新芽を出し続けていた実績があります。一方で農協の出荷規格は以下の通り、上記の仮説に反します。

  • ひげ根を除去し、ネットの上に並べて、およそ一晩自然乾燥する。

この農協式は、加食部分の重量が公正に測れること、乾燥により茎が腐りにくいという一定のメリットがあるものの、鮮度を損なう可能性は不本意です。そこで様々な文献を調べましたが、ワサビの冷蔵保存について科学的実証、エビデンスは発見できませんでした。また、保存技術の研究機関である農産物流通技術研究会(千葉大学・椎名氏)に照会しても「CiNiiで和文誌を検索してみましたがヒットはありません。」との回答しか得られませんでした。よって以下は、私の頼りない経験則により、ベストと思われる方法の紹介になります。

  • ラップもせず、ひげ根付きのままストックバックに入れ、できるだけ立てて、冷蔵庫に保管する。
    ※要完全密封です。袋が開いていると乾燥して直ちに鮮度が失われます。
    ※野菜室、冷蔵、チルド、どこの保管場所でも構いません。
    ※約1か月は持ちますが、風味が徐々に損なわれていくので、2週間以内にご賞味することをお勧めします。

因みに次の様な方法も知られていますが、お勧めできません。ともに酸欠になると考える(推測する)からです。

写真左:根茎を水に濡らしたキッチン・ペーパーや新聞紙でくるみ、その上からラップをする。

写真右:グラスに水を七分目ほど入れ、その中に根茎を入れて冷蔵庫に入れる。水は毎日取り替える。

<冷凍保存>
原則は冷蔵で、どうしても冷凍が必要な場合は、本手順にて急速冷凍してください。

  1. 余ったワサビを全部すりおろす。
  2. わさびをラップに移し、薄く伸ばす。
  3. さらにジップロック等に容れて冷凍する。
    ※要完全密封です。
  4. 使う時は、必要な分だけ割り、再び冷凍庫へ戻す。

 

尚、根茎まるごとの冷凍は以下理由によりご法度です。瞬間冷凍をはじめ、プロトン、CAS(Cells Alive System)凍結でも、結果は同じです。因みにフリーズ・ドライの場合は苦味が極端に強調されます。

 

  • 冷凍のまますりおろすと、低温度により酵素ミロシナーゼの活性が失われる。要は不味くなる。
  • 冷凍のまますりおろすと、鮫皮の場合は表面を痛めてしまう。
  • 解凍してからおろすと、柔らか過ぎて腰が無く、うまくすりおろせない。

<参考文献>

  • 農文協「ワサビ―栽培から加工・売り方まで」星谷佳功著