協働と次世代育成をめざした益田市水環境保全プロジェクト

森から川へ、川から海へ、アンダンテ21の挑戦はつづく

 

 益田市は、西は小浜海岸、東は津田海岸まで、2本の川の河口を挟みながら東西に15kmの広大な砂浜を有しています。河川からの砂の供給や漁業者の厳しい捕獲自主規制によって漁業成立している大ハマグリは、日本海側では一カ所となりました。カワラハンミョウを始めとした希少種昆虫が生息する豊かな砂浜を持っていますが、水循環の連携や海岸漂着物やインフラの未整備などから保全・再生・活用において課題を多く残しています。一方、地元民にとっては疲弊する地域経済や人口急減によって海とのつながりが薄れてきています。

 

  こうした中、アンダンテ21ではこれまでの水環境での経験・実績を下に平成28年度より3ヵ年計画で、海浜部へ活動範囲を拡大し、協働と次世代育成をめざし、地域住民が主体として動き始める水環境保全を実施します。都会からUターンしてきた青年をリーダーとして、益田市内の海岸線一帯における清掃活動と自然・環境教育を統一させた野外イベントを学校や地元組織とともに開催、さらに環境保全に関する住民啓発活動を行いながら、各組織との協働の加速化を推し進めていきます。

 

 

活動内容

 

① 自然体験型海岸清掃イベント

 

 貝ひろい、砂遊び、魚釣り、水浴び、生物採取…海岸にはたくさんの「遊び」や「学び」があります。そんな遊び場であり学び場である海を好きになり、自分たちで守っていこう…このようなコンセプトの下、地域の子供・親子を対象とした自然体験教室と海岸清掃を併せて行う野外イベントを開催します。

 

② 小学校での水環境学習

 

 安田小学校・吉田小学校・戸田小学校の3校をベースに、総合的な学習の時間を使って、地域の水環境に関する授業を実施します。必要に応じて、授業の流れや講師のコーディネートも行います。

 

③ 海岸部の調査とマップ作成

 

 海岸の特徴的な自然状況(生息生物、漂着物、地形等)や、レジャー情報(海水浴、つり、景勝地等)についての調査を行い、デジタルパンフレットを作成します。県内外から持石海岸に足を運ばれる方の参考になるだけでなく、地元小学校等での教材としてもご利用いただけるものにしたいと思っております。

 

④ 協働の加速化

  

 イベントや小学校の授業などは、一年限りとなって継続性が無いことが多くあります。そこで、上記のイベントや授業の企画・運営に関して、関係機関(NPO、小学校、地区振興センター、住民組織、漁業者、行政等)が目的共有や意見交換をできるようなラウンドテーブルを開催します。ゆくゆくは関係機関による協議会に発展することで、上記事業が継続的に行われ、地域の自然環境やその保全に関心を持った子供たちを育成するための教育システム形成されることを期待します。