エビ・カニのなかま
エビやカニなどの甲殻類は、海にいるイメージが強いですが、高津川の名産「ツガニ(モクズガニ)」をはじめ、川にも多くの種類が生息しています。多くが、海と川を行き来します。
エビ目モクズガニ科


モクズガニ
学名:Eriocheir japonica(モクズガニ属)
地方名:ツガニ、ヅガニ
全長(甲長):8cm
生息場所:高津川および益田川 全域
解説:高津川の名産の川ガニ。秋~冬に海でたまごをうみ、赤ちゃんのときに海で過ごしたあと、川を上る。川では10年以上くらすものもいる。爪に生えた毛が特徴。中華料理の高級食材の「上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)」と近いなかまで、もちろん美味しい。特にたまごをもったメスの内蔵(ミソ)がおいしいとされ、「かぼちゃを食べさせるとミソが甘くなる」と言われている。おなか側の「ふんどし」と呼ばれる部分が細いのがオス、丸っぽいのがメス。


ハマガニ
学名:Chasmagnathus convexu(ハマガニ属)
全長(甲長):5cm
生息場所:益田川下流
解説:干潟を好むカニ。島根県では、東部地方で数回確認されたことがあるが、2024年に当法人の調査で、益田川において県西部初確認された。島根県絶滅危惧I類。
エビ目サワガニ科


サワガニ
学名:Geothelphusa dehaani(サワガニ属)
全長(甲長):3cm
生息場所:高津川および益田川 中流~上流
解説:日本のカニの中では唯一、一生を淡水で過ごすカニ。水のきれいな上流の、石の下などに住んでいる。
エビ目ベンケイガニ目

クロベンケイガニ
学名:Orisarma dehaani (クロベンケイガニ属)
全長(甲長):3cm
生息場所:高津川および益田川 河口~下流
解説:河口~下流のヨシ帯や石積みなどに生息するカニ。黒紫色の体色が特徴。
アカテガニ
学名:Chiromantes haematocheir(アカテガニ属)
全長(甲長):3cm
生息場所:高津川および益田川 河口~下流
解説:川沿いの他、みぞや住宅地でも見られる、手の赤いカニ。
エビ目テナガエビ科

テナガエビ
学名: Macrobrachium nipponense(テナガエビ属)
全長(体長):8cm
生息場所:高津川および高津川 河口~中流
解説:川の下流域に多い手の長いエビ。昼間は石やブロックのかげにひそんでおり、夜にエサを探して出てくる。高津川では、テナガエビのなかまは3種類が確認されている。


ミナミテナガエビ
学名: Macrobrachium formosense(テナガエビ属)
全長(体長):10cm
生息場所:高津川および高津川 河口~中流
解説:テナガエビより大きくなり、手をあわせると20cm以上になるものもいる。頭の側面に「m」のようなもようがあることや、ハサミの形が違うことで見分けられる。


ヒラテテナガエビ
学名: Macrobrachium japonicum(テナガエビ属)
全長(体長):9cm
生息場所:高津川および高津川 下流~中流
解説:腕が太く平たいので、見分けるのは簡単。テナガエビやミナミテナガエビよりも、上流の流れの速い場所を好む。


スジエビ
学名:Palaemon paucidens(スジエビ属)
全長(体長):4cm
生息場所:高津川および高津川 河口~下流
解説:テナガエビより小さく透明だが、テナガエビの子どもと見間違えることがある。